:シン・ゴジラ、空想災害ドキュメンタリー
昨日、「シンゴジラ」を新宿TOHOシネマズで見てきました。
総監督はエヴァやトップで有名な庵野秀明さん。かねてから凄い作品だとかめちゃくちゃ面白いといった評判を聞いており期待していました。TOHOシネマズでは「シンゴジラ」をIMAX,4DX,MX4Dの3種類の形式で上映してますが、ネットではIMAXを勧める人が多いようだったのでIMAX上映を選びました。
この作品のすごいところは、もしゴジラが我々の生きる現実世界に突如出現したら、きっと人々や政府、世界は同じように動くんだろうと思わさせられるリアリティにあると感じました。
ひとえにリアリティといっても色々な要因が絡みます。この作品はそういった要因全てにおいて優れているというわけではありません。例えば、ゴジラがさながら現実にいるかのように見えるような撮影の調和、CGと背景の調和も作品のリアリティに貢献しますが、この作品ではCGのレベルがめちゃくちゃ高いわけではありません。
しかしながら、そのような点を補ってあまりある説得力がこの作品にはあります。この説得力の源泉は、人間の足の引っ張り合いやご都合展開なしにとことん怪獣に向き合う人間との姿だけを描ききっていることにあると思います。
組織の情報伝達の過程、ゴジラへの攻撃の順序や住民の避難誘導、災害に対する世界各国の判断。その全てが段取り的に適切に見えるように描写され、登場人物の行動も疑問が生まれないように作中で根拠が説明されています。
ある種の災害ドキュメンタリーのような要素を持ち、かつ非常に論理的です。ハンディカムで撮ったような映像をあえてつかったり、災害に関する言及が作中にあるのも監督がそれを意識しているからなのではないかと思いました。